83年訪韓で、中曽根首相(当時)ハングルでスピーチ

 安倍晋三首相が、就任早々、最初の外国訪問国に中国と韓国を選んだのは、大英断であったと思います。戦後、歴代首相が、世界の中から、初訪問先に中国を選んだのは初めてのケース。拍手喝采です。そして、運命か。韓国において北朝鮮の核実験の報に接します。たいへん象徴的な訪問となりました。今後のご健闘をお祈り申し上げます。


歴代首相の初めての外国訪問先は、その内閣の性格を運命付けるようです。ここで、今となっては覚えている方も少ないと思われる一つの心温まるエピソードをご紹介いたします。


 昭和58年(1983)1月、時の中曽根康弘首相は、就任後初の訪問先に、戦後、日本の総理大臣として初めて韓国を選びました。それまで、新総理の最初の訪問先といえば、米国と相場が決まっていましたので、周囲を驚かせました。


 青瓦台で開かれた大統領主催の公式晩餐会の席上、時の全斗煥大統領、並びに300余名の各界代表の参列者を前にして、中曽根首相は、ハングル(正しくはその言語の文字をいう)で、スピーチをして、会場を感動の渦に巻き込みました。全斗煥大統領は、下世話にいえば、「中曽根先生と」、二次会に誘った。中曽根さんは、ハングルで「黄色いシャツを着た男」を歌い、大統領は、日本語で「君を慕いて」を返礼歌とした。韓流ブームなど夢のまた夢の時代でした。大物は違いますね。


 以上は、小針進氏が、中曽根さんにインタービュした記事のさわりです。詳しくは、NHKテレビ『アンニョンハシムニカ』ハングル講座2005年4月号112ページから115ページに掲載されています。



自省録

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