2007-01-01から1ヶ月間の記事一覧

『永遠のジャック&ベティ』をまた読んで、また笑う

清水義範さんの『永遠のジャック&ベティ』は、英語の洗礼を『ジャック&ベティ』の教科書で受けた世代でないと、その可笑しさは切実ではないかも知れません。おおげさに言えば、当時の幼稚な脳漿は、英語の勉強でカルチャーショックを受けていました。 なに…

カタカナ外来語がお好きな、愛国者

ホワイトカラーエグゼンプション。アメリカにおける労働時間制度。一定の要件(職種・職務や賃金水準)を満たすホワイトカラー労働者の労働時間規制の適用を除外(exempt)するというもの。 一体、だれが、最初に、日本に、この言葉「ホワイトカラーエグゼン…

仏教書は難しい 嘆異抄と般若心経

まだ、身のほど知らぬ若いころ、‘岩波文庫の100冊’を読破しようと、取り組みはじめ、しょっぱなの10冊目位に届くかどうかのとき、選んでしまったのが、『嘆異抄』(金子大栄校訂)でした。これが運のつき。100冊読破どころか、横道はそれてしまいました。 爾…

カメラマン不肖宮嶋茂樹が白瀬中尉を語る

NHK教育テレビ“知るを楽しむ”には、「この人この世界」(月)、「私のこだわり人物伝」(火)、「人生の歩き方」(水)、「歴史に好奇心」(木)と4本のカテゴリーがあり、そのうち「私のこだわり人物伝」は、講師が己の好きな人物をとりあげて、その人間像によせて薀蓄…

ファーブルの無欲さにうたれる

ファーブルの生涯は、『昆虫記』とは違った意味で、興味深いものがある。 『昆虫記』第十巻が完成したのは、1910年、87歳のときであった。この年に、はじめて「ファーブルを励ます会」がつくられ、セリニアン村の喫茶店でパーティがひらかれ、出席者たちが、そ…

人間は、実際、異文化を理解することが出来る動物なのだろうか

またもや、AP通信によると、イラク・バグダッド中心部の商業地域で、22日日正午過ぎ、市場に駐車していた車が突然爆発し、その直後には爆弾を積んだ車が大勢の買い物客の中に突っ込み、爆発した。合わせて少なくとも78人が死亡、156人が負傷している。連日の…

コラム『テリー伊藤の現場チャンネル』毎日新聞夕刊(毎土曜連載)

道で、ばったりテリー伊藤さんにお会いしたら、たぶん反射的に会釈してしまうと思います。毎週、いくどか、映像でまみえる機会がありますので、知り合いの人として、生理的に身体が反応してしまうと思う。 毎土曜日、『毎日新聞』夕刊で 連載『テリー伊藤の…

淡路阪神大震災と関東大震災

神戸新聞ニュース(1月18日付)で下記の記事を目にしました。――― 阪神・淡路大震災当時の避難所生活を振り返り、食生活を見直そうと、芦屋市内の小学校全八校で十七日、児童らが給食の時間に自分でおむすびを握って食べた。 神戸新聞グループが取り組む「新…

週間『エコノミスト』が「消費2.0」を特集

週刊『エコノミスト』1月23日号が、「ウェブ2.0」になぞらえた“ブログ&SNSが生む「消費2.0」”の特集を組んだ。そのなかで、消費者ネットアンケートによる、2006年ヒット商品・サービスのランキングと、2007年のヒット予想の結果を発表した。これが、なかなか参考…

山折哲雄が平和を語る

毎日新聞夕刊に「夕刊とっておき」という欄があり、‘この国はどこへ行こうとしているのか’というテーマで各界の専門家にインタビューしている。いつも、問題の核心をつく内容で、新聞の記事としては重厚にして深遠、優に新書判一巻を読む思いである。 1月11日…

草原の道を支配したモンゴル巨大帝国

今日は、岡田英弘著『モンゴル帝国の興亡』、を取り上げます。正直いえば、読み通すのは、それほど、おもしろいものではありません。事実がぎゅうぎゅうに詰まっているので、固有名詞を覚えないうちに、ストリーが展開していきます。 しかし、西洋文明に飼い…

世界を股にかける冒険病理学者の家森幸男

NHKの番組「知るを楽しむ」には、一ヶ月間4回シリーズものと二ヶ月間8回ものとがあり、家森幸男講師の‘この人この世界’『長寿を楽しむ』は、昨年12月から本年1月にかけての8回シリーズである。今日のところ、まだ、第6、7、8回分を見ていないが、おそら…

英語は体で覚えるもの。ヨガやダンスと一緒です。

ピッタシカンカンの名フレーズです。英語習得の真理をよく言い当てています。そもそも口先だけパクパクの英語では実用になりません。 おなじみのポップスを教材にして、英語を楽しみながら覚えていこうという、革新的な英会話学習プログラムがNHK教育テレビ…

擬音語・擬態語で政治の憂さ晴らし

政治団体の不適切な会計処理で佐田玄一郎前行政改革担当相が引責辞任したのに続き、新年早々、伊吹文明文部科学相、松岡利勝農相らの事務所費疑惑問題も浮上してきた。 伊吹文明文部科学相の資金管理団体が、賃料のかからない議員会館を所在地としながら、多…

『英語教師 夏目漱石』川島幸希著

巷間、漱石は大して英語ができなかったとの風説がある。英国留学時期の神経衰弱の話しとあいまって、まことしやかな印象を与えてしまう。そうでなくとも、じっさい、漱石の英語の実力はどんものだったのか、という好奇心は大いにある。 この本は、小説家にな…

岸田 秀『幻想の未来』(唯幻論序説)

はじめに、岸田秀さんの存在を知ったのは、どこで見たのかよく覚えていませんが、岸田秀さんが下した“人間は本能の壊れた動物である”という明解な命題に触れたときです。何かいろんなことが、いっぺんに、とけたような思いがしました。なんだ、人間は壊れた…

世襲議員と超ベストセラー本と、オマケにタレント議員も

二世、三世の議員が跋扈する政治の世界と、いったんベストセラーの呼び声がかかると、数百万部の超ベストセラーになる出版の世界と、名前が売れていれば、素質にお構いなく当選してしまう選挙の世界とは、根っこが同じです。これは現代日本人の精神構造の貧…