グランドキャニオン『スカイウォーク』オープン

3月28日に、米国アリゾナ州グランドキャニオン ウエストリム(西壁)に『スカイウォーク』がオープンした。高さ1219メートルの絶壁から半円状(正しくは、片持ち梁‘かたもちばり’)で20メートル空中に突き出た総ガラス張り回廊を名づけて『スカイウォーク』…

イスラーム世界を少しは理解したい

サウジアラビアの首都リヤド市で、サウジアラビア国王アブドッラー・サウジアラビア議長のもと、28日と29日の両日、「第19回アラブ・サミット」が開かれている。中東和平やイランの核開発などが議題になるものと見られている。 自分は、欧米文化圏のこちら側に…

乃木希典の真の姿とは、

東京ミッドタウンの3月30日オープンをひかえ、六本木界隈は、いま、注目のエリアだ。ちょっと、人込みを離れて、乃木坂へ向かうと旧乃木邸にいたる。隣の乃木神社には、梅がひそやかに花をつけていた。 乃木希典の生涯を思うと、いつも頭が混乱してくる。司…

佐治敬三を、堺屋太一が語る

昭和後期を代表する大檀那佐治敬三さんを、大阪生まれで、万国博覧会や大阪築城四百年記念行事などで佐治さんとおつき合いのあった堺屋太一さんが、その人物を語るという、こんな絶妙な取り合わせは、そうざらにはあるものではありません(NHK知るを楽しむ N…

今年は、奴隷貿易廃止法200周年です

昨3月25日で、英国植民地での奴隷貿易を廃止する法律が成立(1807年)して200周年を迎えたという『解説記事“「負の歴史」向き合う機運”欧州総局・小松浩氏、3月3日付け毎日新聞東京朝刊』を読んだ。 そのなかで、ブレア首相が昨年11月に反省の言葉「深い悲し…

新藤兼人、シナリオライターから映画監督への宿命

新藤兼人が、自ら、映画「愛妻物語」を語るのを聞いた〔NHK知るを楽しむ 人生の歩き方 NHK教育テレビ3月放送“新藤兼人「わが仕事人生」”(水曜日 午後1025〜1050)〕。94歳の現役映画監督が、半世紀前1951年(昭和26年)の第1回監督作品を語る肉声に接することが…

小泉武夫「いずれそのうち天罰が下る」

こんどは、洋菓子のヒロタが、17日、シュークリームなどを自主回収すると発表した。購入客から「酸味を感じる」、「クリームが粒状化している」、などの苦情が寄せられ調査したところ、製造過程で乳酸菌が混入していた。 このため、カスタードクリームなどを…

映画をみていたので中国の戸籍制度を知る

どこの国の政府も、思い通りに政策を実施できないようだ。3月16日に閉会した全国人民代表大会(全人代)で、温家宝首相は、発展から取り残された農村部への財政支出を大幅に増やし、都市部との格差縮小を推進し、いわゆる「三農問題」解決を最優先課題にするこ…

決闘、二十歳で倒れたエヴァリスト・ガロアよ、好きだ

ミリオンセラー『国家の品格』ですっかり有名になってしまった藤原正彦さんは、ほんらい数学者で、書き物もよくし、数学者の視点から綴ったアメリカ体験記『若き数学者のアメリカ』で78年の日本エッセイスト賞を受賞している。 著書のうち、『遥かなるケンブ…

おめでとう!京都市「眺望景観創生条例」可決

京都新聞の報道によれば、京都市の2月定例市議会は13日、最終本会議を開き、京都らしい景観の保全と創造に向けた新景観政策の導入に伴う「市眺望景観創生条例」など関連6条例や新政策の周知徹底などを市に求める与党会派の決議案を全会一致で可決した。 お…

大酒呑みの十返舎一九の生き方

自分は、自分の酒好きを、どこかで後しろめたく思っているので、誰々さんが酒呑みと分かると、いっぺんにその人が好きになってしまう悪い癖がある。その意味で、『東海道中膝栗毛』で知られる戯作者、十返舎一九は大好きである。売れっ子で相当に原稿料を稼…

歌会始の選者と東京大空襲とバグダッド燃ゆ

先週末3月10日(土)、「戦災資料センター」開設5周年とセンターの増築工事完了を記念した「東京大空襲を語り継ぐつどい」が、参列者600余名を迎え、東京江東区亀戸駅前のカメリアホールで開催された。 戦災資料センターの館長で作家の早乙女勝元さんは、挨拶…

100歳の舞踏家大野一雄さんの映画初上映

いよいよ、明日3月10日(土)から3月31日(土)まで、ポレポレ東中野で、100歳の舞踏家大野一雄さんのドキュメンタリー映画「大野一雄・ひとりごとのように」が初上映されます。大野さんを心で感じることが出来るまたとないチャンスです。 はじめて大野さんの…

「田舎教師」の舞台“行田”への憧れは、いまだ消えず

1909年(明治42年)に発表された田山花袋の「田舎教師」は、中学を卒業した主人公が向学心に燃えながらも、経済的理由から小学校の代用教員として田舎に暮らすことになる。そして、志かなわず失意のうちに体を壊し、結核で死んでいく寂しい物語である。 田山花…

「青蔵鉄道」―いま一番行ってみたい旅

この「青蔵鉄道」の試乗リポートが、今年のNHKお正月番組で放送され、標高4000mを凌ぐチベット高原を列車でいっきに駆け抜けるのは、まさに天空を翔けるがごとくロマン溢れる旅行です。1980年4月から1981年3月にかけて放送されたNHK第1次「シルクロード―絲綢之…

芥川龍之介『歯車』と“閃輝暗点”との因縁

その昔、自分では、有名人病に罹っていないと自負していましたが、何のことはない一級のミーハーであることが、すっかりバレテしまった小事件がありました。机に向かって書類を見ていたら、突然に、目の中に光線が幾重にも走りだし、書類を見るどころか、変…

貝原益軒「養生訓」の現代的意義

「養生訓」とは、いかにも題名からして古めかしい。自分には、全く関係ない本だと決めつけていました。「養生訓」に入りあげている友人もいましたが、自分には、全く関係ないと耳をかしませんでした。しかし、歴史家の立川昭二氏の解説にふれて、蒙を啓かされま…

野坂昭如氏の偽悪趣味は健在でした

ご本人から、偽悪趣味とはなんだと、お叱りを受けるかも知れませんが、野坂さんらしさが、随所に織り込められている「花嫁の父」を読んで、真っ先にうかんだ言葉でした。あいも変わらず、表面上は、過激なことをおっしゃる。娘の結婚式で、新郎新婦にあて、メ…

亀渕友香のボイストレーニングのおすすめ

NHK教育テレビの番組で一回の放送が、5分間なので、見逃してしまいがちな番組に『まる徳マガジン』(月〜木午後9:55から10:00;再放送火〜金午後2:55〜3:00)があります。これが、なかなか、毎回ためになるプログラムを提供しています。1月〜2月の放送は…

NHK「福祉ネットワーク」で介護百人一首を知る

NHK教育テレビ「福祉ネットワーク」は、月〜木午後8:00〜8:30(再放送翌週月〜木午後1:20〜1:50)に放送されている大変良心的な番組です。私たちは、今日は、息災に過ごしていても、明日の身は知れません。誰にでも起こり得る不慮の出来事と正面から取り…

“死ぬまで生き直せる”、池田理代子の生き様

尊敬する人物として、歴史上ではなく、同じ時代に、同じ空の下に住む人間としての謦咳に接する機会に恵まれるとは、幾世紀も生き永らえる程に幸せなことであります。もともと‘謦咳に接する’とは、尊敬する人に直接お会いしてお話を聞くという意ですが、ここ…

映画『NARA:奈良美智との旅の記録』3月24日公開

大きな目玉の女の子の絵で国際的に知られる美術家、奈良美智(よしとも)の1年半の活動を記録したドキュメンタリー映画『NARA:奈良美智との旅の記録』が、3月24日(土)から公開されました。3月2日(金)までは、渋谷区宇田川13-17 「シネマライズ」(03-3464…

最近のスピリチュアルブームについて

題名は覚えていませんが、野坂昭如の短編小説のなかで、貧乏長屋に住む辻占い師が仲間に、客のことを、さげすみながら「亡者」と呼んでいる場面がありました。迷える人は、もう亡者なのです。亡者が増えれば増えるほど、辻占い師の商売は繁盛します。 ちなみに…

加藤周一著『私にとっての二〇世紀』に学ぶ

加藤周一著『私にとっての二〇世紀』第四部(言葉・ナショナリズム)を読んでいて「日本人は国という言葉を使いたがる」という章節に行き当たりました。じつは、私もその一人です。国という言葉を乱暴に使っていました。安易に使っていました。大いに恥じ入り…

プロムス2006ラスト・ナイト・コンサート

日曜日(18日)、「プロムス2006ラスト・ナイト・コンサート」(NHK教育 午後10:20〜翌日午前0:15)を最後まで観てしまった。日曜日だけは、早く寝るようにしているが、番組の誘惑にはとても勝てなかった。しかし、最後まで付き合って大きな収穫をえた。 プロ…

映画『蟻の兵隊』下高井戸シネマで上映開始

昨年7月22日、渋谷イメージフォーラムで公開して以来、全国30箇所の劇場とほぼ80箇所の自主上映会で、6万人以上の観客を動員した映画『蟻の兵隊』が、久しぶりに東京へ戻ってきた。世田谷区松原にある「下高井戸シネマ」に於いて2月17日から3月2日まで上映され…

内田樹の負け方の研究

2月7日毎日新聞夕刊の文化/批評と表現欄コラム「水流」で内田樹(たつる)氏の『意義のある負け方』と題した記事に、目を開かれました。わが覚醒の一端をお伝えできれば幸いです。 最初に、内田氏は、私たちは社会から、よってたかって「どうやって競争に勝つか…

石井筆子を知っていますか

昨14日、NHK教育テレビ福祉ネットワークの番組で、“石井筆子を知っていますか〜映画になった障害児教育の母〜”を見ました。私は、初めて石井筆子のことを知りました。まさに、神に選ばれた人としかいいようのない生涯を送っています。日本人の底の深さに打た…

毎日新聞で“野坂昭如の「七転び八起き」”連載始まる

野坂昭如さんが、2003年に脳梗塞で倒れてから、4年ぶりで、私たちの前にその健在なお姿をみせた。私は、むかしから、はちゃめちゃな野坂昭如さんがむちゃくちゃに好きだ。ご活躍を待っていたので、いく度目かのデビューがたまらなく嬉しい。 2月6日、毎日新…

第11回目を迎えた「菜の花忌」

きのうは、第11回目の「菜の花忌」だった。NHK大阪ホールには、司馬遼さんを偲んで、1400人が参列し、舞台いっぱいに3500本の菜の花が飾られた。参列しなかった怠惰を悔やむ。 平成八年(1996年)2月12日に、司馬遼太郎さんは、この世を去った。 司馬遼太郎…