「国立新美術館」と「表参道ヒルズ」と

1月21日、六本木に国立新美術館がオープンしました。最初、テレビのニュースで見たとき、頭上から覆いかぶさるようなガラスカーテンウォールの外観に圧倒されました。私は東京メトロ千代田線乃木坂駅から、アプローチしたのですが、建物の後側に出たため、…

演出家になるべく生きてきた宮本亜門 

そのとき、宮本亜門さんの名前は知っていましたが、宮本さんがブロードウェイでミュージカルの演出をすると聞いたとき、ええ?そんなことが本当に出来るのと、信じられませんでした。ミュージカルの本場、それもオフ・ブロードウェイではなく、堂々と、オン…

『旅と病の三千年史』

知らなかったことに慄然とします。濱田篤郎著『旅と病の三千年史』(旅行医学から見た世界地図)を読んでから海外旅行に出かけよう。 旧聞になりますが、1994年7月に、イタリアのナポリで先進国首脳会議(サミット)が開催されました。日本からは、時の村山…

個人の力では抗し難い別離に慟哭する

遠くは、北アイルランド紛争に続き、ユーゴ紛争、コソボ紛争、イラクでのシーア派スンニ派の宗派対立、そして、またまた、パレスチナ自治区ガザで、アッバス自治政府議長の支持基盤ファタハと内閣を率いるイスラム原理主義組織ハマスの衝突。人間よ、そんな…

パキスタン・ペシャワールからカイバル峠越え

相当に海外旅行慣れした人でも、カイバル峠越えを経験した人はまだ多くないでしょう。ペシャワールから、アフガニスタンへ国境越えする「カイバル峠」は古くから東西の文化圏を結ぶ交易路として重要な峠でした。アレキサンダー大王、玄奘三蔵が越えた場所で…

クルーズ世界一周のなぞ

生涯を閉じる前に、クルーズで世界一周をしたいと願っている。最初乗ったクルーズは六日間だった。最初の二日間は、陸上生活のざわめきが、頭の中にこびりついていて、船上生活を楽しむ余裕はまだなかった。 三、四、五日と過ぎるうちに、陸上における一切の…

学校給食費不払い問題、 親子関係の希薄化

いまの日本に、こんな情けないことが起きているのを知りませんでした。 このほど、文部科学省が全国の国公私立小・中学校を対象に、給食費不払いの実態調査を行ったところ、学校給食費を払えるのに払わない保護者が多くいることが分かり、不払いの理由が「保…

『永遠のジャック&ベティ』をまた読んで、また笑う

清水義範さんの『永遠のジャック&ベティ』は、英語の洗礼を『ジャック&ベティ』の教科書で受けた世代でないと、その可笑しさは切実ではないかも知れません。おおげさに言えば、当時の幼稚な脳漿は、英語の勉強でカルチャーショックを受けていました。 なに…

カタカナ外来語がお好きな、愛国者

ホワイトカラーエグゼンプション。アメリカにおける労働時間制度。一定の要件(職種・職務や賃金水準)を満たすホワイトカラー労働者の労働時間規制の適用を除外(exempt)するというもの。 一体、だれが、最初に、日本に、この言葉「ホワイトカラーエグゼン…

仏教書は難しい 嘆異抄と般若心経

まだ、身のほど知らぬ若いころ、‘岩波文庫の100冊’を読破しようと、取り組みはじめ、しょっぱなの10冊目位に届くかどうかのとき、選んでしまったのが、『嘆異抄』(金子大栄校訂)でした。これが運のつき。100冊読破どころか、横道はそれてしまいました。 爾…

カメラマン不肖宮嶋茂樹が白瀬中尉を語る

NHK教育テレビ“知るを楽しむ”には、「この人この世界」(月)、「私のこだわり人物伝」(火)、「人生の歩き方」(水)、「歴史に好奇心」(木)と4本のカテゴリーがあり、そのうち「私のこだわり人物伝」は、講師が己の好きな人物をとりあげて、その人間像によせて薀蓄…

ファーブルの無欲さにうたれる

ファーブルの生涯は、『昆虫記』とは違った意味で、興味深いものがある。 『昆虫記』第十巻が完成したのは、1910年、87歳のときであった。この年に、はじめて「ファーブルを励ます会」がつくられ、セリニアン村の喫茶店でパーティがひらかれ、出席者たちが、そ…

人間は、実際、異文化を理解することが出来る動物なのだろうか

またもや、AP通信によると、イラク・バグダッド中心部の商業地域で、22日日正午過ぎ、市場に駐車していた車が突然爆発し、その直後には爆弾を積んだ車が大勢の買い物客の中に突っ込み、爆発した。合わせて少なくとも78人が死亡、156人が負傷している。連日の…

コラム『テリー伊藤の現場チャンネル』毎日新聞夕刊(毎土曜連載)

道で、ばったりテリー伊藤さんにお会いしたら、たぶん反射的に会釈してしまうと思います。毎週、いくどか、映像でまみえる機会がありますので、知り合いの人として、生理的に身体が反応してしまうと思う。 毎土曜日、『毎日新聞』夕刊で 連載『テリー伊藤の…

淡路阪神大震災と関東大震災

神戸新聞ニュース(1月18日付)で下記の記事を目にしました。――― 阪神・淡路大震災当時の避難所生活を振り返り、食生活を見直そうと、芦屋市内の小学校全八校で十七日、児童らが給食の時間に自分でおむすびを握って食べた。 神戸新聞グループが取り組む「新…

週間『エコノミスト』が「消費2.0」を特集

週刊『エコノミスト』1月23日号が、「ウェブ2.0」になぞらえた“ブログ&SNSが生む「消費2.0」”の特集を組んだ。そのなかで、消費者ネットアンケートによる、2006年ヒット商品・サービスのランキングと、2007年のヒット予想の結果を発表した。これが、なかなか参考…

山折哲雄が平和を語る

毎日新聞夕刊に「夕刊とっておき」という欄があり、‘この国はどこへ行こうとしているのか’というテーマで各界の専門家にインタビューしている。いつも、問題の核心をつく内容で、新聞の記事としては重厚にして深遠、優に新書判一巻を読む思いである。 1月11日…

草原の道を支配したモンゴル巨大帝国

今日は、岡田英弘著『モンゴル帝国の興亡』、を取り上げます。正直いえば、読み通すのは、それほど、おもしろいものではありません。事実がぎゅうぎゅうに詰まっているので、固有名詞を覚えないうちに、ストリーが展開していきます。 しかし、西洋文明に飼い…

世界を股にかける冒険病理学者の家森幸男

NHKの番組「知るを楽しむ」には、一ヶ月間4回シリーズものと二ヶ月間8回ものとがあり、家森幸男講師の‘この人この世界’『長寿を楽しむ』は、昨年12月から本年1月にかけての8回シリーズである。今日のところ、まだ、第6、7、8回分を見ていないが、おそら…

英語は体で覚えるもの。ヨガやダンスと一緒です。

ピッタシカンカンの名フレーズです。英語習得の真理をよく言い当てています。そもそも口先だけパクパクの英語では実用になりません。 おなじみのポップスを教材にして、英語を楽しみながら覚えていこうという、革新的な英会話学習プログラムがNHK教育テレビ…

擬音語・擬態語で政治の憂さ晴らし

政治団体の不適切な会計処理で佐田玄一郎前行政改革担当相が引責辞任したのに続き、新年早々、伊吹文明文部科学相、松岡利勝農相らの事務所費疑惑問題も浮上してきた。 伊吹文明文部科学相の資金管理団体が、賃料のかからない議員会館を所在地としながら、多…

『英語教師 夏目漱石』川島幸希著

巷間、漱石は大して英語ができなかったとの風説がある。英国留学時期の神経衰弱の話しとあいまって、まことしやかな印象を与えてしまう。そうでなくとも、じっさい、漱石の英語の実力はどんものだったのか、という好奇心は大いにある。 この本は、小説家にな…

岸田 秀『幻想の未来』(唯幻論序説)

はじめに、岸田秀さんの存在を知ったのは、どこで見たのかよく覚えていませんが、岸田秀さんが下した“人間は本能の壊れた動物である”という明解な命題に触れたときです。何かいろんなことが、いっぺんに、とけたような思いがしました。なんだ、人間は壊れた…

世襲議員と超ベストセラー本と、オマケにタレント議員も

二世、三世の議員が跋扈する政治の世界と、いったんベストセラーの呼び声がかかると、数百万部の超ベストセラーになる出版の世界と、名前が売れていれば、素質にお構いなく当選してしまう選挙の世界とは、根っこが同じです。これは現代日本人の精神構造の貧…

これらの共通項はなんでしょう? 当てたら天才

羽仁進、由紀さおり、安田祥子、ジェームス三木、山本一力、前田憲男、オスカー・ピーターソン、玉置宏、戦後昭和歌謡、松本徳彦、越路吹雪。 当たるわけありません。冗談です。 これは、Sony Music CDクラブのクラブ・マガジン月刊“The CD Club”の巻頭フィ…

今週でNHK衛星第二“毎日モーツアルト[音楽の街]”が終わる

今年、1月30日から開始された、タイトル音楽『マイネ・クライネ・ナハトムジーク第3楽章メヌエット』で始まる“毎日モーツアルト[音楽の街]”が今週でフィナーレを迎え、今日で、放送は202回を数える。とうぜんながら、一日10分間、モーツアルトの音楽を充分…

年末、世界は荒れ模様、空も地上も

英国ロンドンでは、 濃霧の影響で、数日間にわたり空の便の欠航を余儀なくされた英国航空は、23日になって、欧州内の短距離国際便と国内便の運行を再開した。その間、欠航が相次いだため、数万人が寒空のもと足止めをくった。 英国航空は、クリスマスで帰省…

年の暮れくらい、日本の国を振り返ってみませんか

きょう22日、1年で昼が最も短くなる冬至。上野動物園では、人間の習慣にならって動物たちにユズやカボチャが振る舞われました。「寒さに負けずに風邪を引かないで」との願いを込め、ユズ約10キロ、カボチャ約50キロを用意して、ゾウやクマなど12種類の動物…

お正月に佐伯チズの『願えば、かなう』を読んで、明るい年を迎えよう

美容アドバイザー佐伯チズさんの『願えば、かなう。』(夢はクスリ、あきらめは毒)を本屋さんでみたとき、その題名から、あれ、佐伯さんは、ナポレオン・ヒルを知っているのかなと思った。しかし、本を読んでみて、この題名は、佐伯さんが歩んできた人生の…

安倍首相は本間政府税制調査会長と道徳感覚において同類項か

公平を期すために、通信2社による関連報道を読んでみてください。 12月18日 時事通信 安倍晋三首相は18日夜、国家公務員宿舎で知人女性と同居していると報じられた本間正明政府税制調査会長について「職責を全うすることによって責任を果たしてもらいたい」…