長州、長州と、あまり宣ふなかれ

 20日自民党の第21代総裁に安倍晋三氏が選ばれた。これで長州人脈8人目の首相が誕生する。不躾ながら、長州出身の首相の幾人かはあまり立派な引き際に恵まれていません。


 勝てば官軍薩長人脈が主体となって明治政府を作りあげたが、その過程で、官軍は幕府側の人間に相当理不尽な事をしている。一言でいえば、野卑で粗暴なのである。国民を塗炭の苦しみに追いやたた軍国主義への萌芽はこのときに生まれたと言えなくもない。その後の日本の進路を決めた。そして、いま、世界に対峙している。

 
 幕末に横須賀に造船所を建設した幕府の軍艦奉行小栗上野介忠順は、徹底抗戦を主張したが、明治元年、もはや、幕府の命脈はつきたと諦め、江戸を去って、知行地の上野国権田村の東善寺に引きこもったにも拘わらず、官軍により烏川の川原に家来三人ともにひきずり出され、斬首された。


 そのとき、刀をとったのは、22歳の隊長原保太郎、背後に立ったが、どうもきりにくので、棒でその腰をついて、「もっと首を下げろ」と、いった。すると上野介は凄じい顔色でふりむいて、「無礼者」とさけんだ。


 二人の人格の違いが歴然としています。 この隊長は、のちに、内務官僚となり、山口県知事を勤め、貴族院議員となり、昭和11年、89歳でこの世をさっている。以上、小栗上野介について、『人間臨終図巻〈1〉 (徳間文庫)』から引用しました。


For your reference: 自民党総裁選(09・20)
 by 作者 SIOKANISTA http://www.youtube.com/profile?user=SIOKANISTA


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