徳性はどうしたら養えるのか
はっきりしているのは、現行の学校教育では好ましい結果が出ていないことだ。それどころか、高等教育を受けている者の犯罪が少なくない。学校は人格形成に貢献出来ないのものなのか。いじめの小6児自殺も心が傷む。この意味で、安倍首相が教育基本法改定に動いているのには賛成である。いま、日本はどうなちゃっているのでしょう。
徳性涵養で、思い起こすのは、山崎朋子著 サンダカン八番娼館 (文春文庫)(大宅壮一賞受賞)の主人公サキの有徳性である。長崎からボルネオのサンダカンに「からゆきさん」として売られて行ったという苛酷な運命に見舞われながらも、驚くべきことに、心の清らかさを失っていないことだ。
ノンフィクション作家として、山崎さんは取材のために身分を秘して、天草の一寒村に住む老婆サキさんと三ヶ月ばかり一緒に暮らす。村人はサキさんの過去が公になることを恐れて、取材妨害のため山崎さんの本職をサキさんに告げ口する。サキさんは鷹揚に構えて取り合わない。
サキさんは、おおよそ次のように答える。「人は云える時が来たら(本当の事を)云うものです。相手が云える時までそっとしておきましょう」 。これは、日本人だけの世界でしょう。
以上、映画「サンダカン八番娼館 望郷」 asin:b0002z7qci。
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