たかが55万円で、李下に冠を正す - sei9nen9のブックケース

まず、以下のNHKニュースと夕刊フジの記事をじっくりお読みください。公平を期すために、二社の記事を併記しました。どちらにも事実誤認はないと思われます。石原慎太郎都知事の11月24日定例記者会見での模様は、テレビでも一部放映されましたので、石原知事のうわずった声で記者席を睥睨している姿を、私も見ました。その対応は、一種の恫喝に近いですね。無能者ども、お前ら、何をばかな質問をするのだという倣岸さに満ち溢れていました。知事がどんなに偉いといっても公僕であることを忘れたもうな。

(NHKニュース)　四男の公費出張　都知事が釈明
（2006 年11月 24 日18時45分）

東京都は若手芸術家の活動の場としてトーキョーワンダーサイトという施設を都内の３か所に開設しています。東京都などによりますと、石原知事の四男で画家の石原延啓氏が平成15年に１か月だけこの施設の外部委員に委嘱され、フランスやドイツへ公費で海外出張に出かけたということです。これについて石原知事は、この日の記者会見で、「息子か他人かということに関係なく、海外にも留学して芸術の世界に知人が多いので、ほとんどボランティアでやってもらっている。外部委員での海外出張は息子がかかわったイベントでトラブルがあったので、その調整で行った。人選として正常な手続きだ」と述べ、問題はないとの認識を示しました。また、石原知事自身が、規定を上回る宿泊費で海外出張をしていたことについては、「こちらからどのホテルに泊まりたいなどと指示したことはない。規定に収まらない時は人事委員会と協議のうえ運用している」と述べました。このほかは石原知事、知事の多選を制限しようという動きが出ていることについて、「政党の姿勢としては結構だが、法律や条例で禁止するのは問題があると思う」と述べ、反対の考えを示しました。
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(夕刊フジ) “私物化批判”慎太郎逆ギレ「息子ながら立派な芸術家」
（2006年11月25日16時13分）

　若手芸術家の育成事業「トーキョーワンダーサイト（ＴＷＳ）」に石原慎太郎都知事（７４）の四男延啓（のぶひろ）氏（40）が深く関与し、公費で欧州出張したことなどについて「知事による私物化」との批判が出ているが、石原知事は24日の定例会見で「情実を感じられるのはきりがない」「息子は立派な芸術家」と親バカな反論を展開した。
　石原知事の肝いりで始まったＴＷＳ事業で、延啓氏は平成15年３月に１カ月間、諮問委員を務めた。同月18-26日には都が旅費など約55万円を負担して渡欧した。
　石原知事は「私が（渡欧を）命じたわけじゃない」と断った上で、自身が脚本を書き下ろした「能オペラ」公演に向けて、作曲家との契約トラブルを解決するためだったと説明。
　「四男の紹介で、僕が現代音楽家と会い、能のオペラをやりたいっていうから、シナリオを書いた」と、企画自体が延啓氏から持ち込まれたことを明かし、「息子にも責任があり、説得に行った」と述べたが、「能オペラ」は結局、立ち消えになっている。
　また、文京区のＴＷＳ施設のステンドグラスに、延啓氏が制作した原画を採用したことについては、知事が自ら無償で原画制作を依頼したと明かした上で、「（他の画家の原画から）館長以下が選んだ。僕が選んだんじゃない」と主張した。
　さらに石原知事は、延啓氏がＴＷＳ事業から手を引く可能性を問われると、「どうしてですか。ほとんど今、ボランティアでやっているんですから。息子でありながら立派な芸術家。そういう芸術家はたくさんいない。余人をもって代え難かったら、どんな人間でも使う」と強く反論した。
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知事の息子が、公費で旅行したからといって、その正当性に疑問がなければ、必ずしも、悪いとは言えない。だが、石原知事のこの説明は納得できるものではない。延啓氏が、余人をもって代え難いという証明が、ここでは全くなされていない。我田引水も甚だしい。また、たかが55万円という金額をチョロマカス根性のさもしさが哀れだ。そんな貧しい家柄ではないでしょうに。

あるとき、作家石原慎太郎は、作家田中康夫を評して、あれで文学者かね、最近は、新作品を発表していないではないかと。そのときは、なるほど、石原慎太郎は頻繁に作品を発表しているので、そうだなと頷きました。でも、石原知事は、毎日、登庁しているのではないということが報道されました。なんだ、それなら小説を書けるわけだ。田中知事のように身を粉にして働いていたら、小説を書いている時間なんか物理的につくれませんよ。

一行コメント：弱い人たちをルックダウンしている