タウンミーティングやらせ問題も、いい加減な幕引き

政府与党がかかえる諸問題、タウンミーティングやらせ問題、郵政造反組復党問題、消費税引き上げ問題、年金問題など、どれをとっても、根本的な解決策がよく見えてこない。その場かぎりの対応があまりにも多すぎる。

タウンミーティングやらせ問題の対処も、また、いい加減。政府が一丸となって演出したタウンミーティングやらせ問題の悪徳性を、犯行者たちは、ぜんぜん認識していないようだ。この犯行が、『集団』で行われたことの意味合いは、深刻だ。その発想の化石的時代性に失望するし、その対処の甘さに呆然とする。

政府は、タウンミーティングやらせ問題で、当時の担当閣僚の処分を見送る方針を決めたのである。とうぜん、小泉元首相には指一本も触れず。かたや、英国では、ブレア首相が、選挙資金融資疑惑でロンドン警視庁に事情聴取されました。

少し、想いを宇宙にでも持っていかないと、この暮れを、やり過ごすことができません。そこで、複雑理工学・地球惑星科学専攻の松井孝典博士の『宇宙人としての生き方』（―アストロバイオロジ―への招待―）を呼んで憂さを晴らすとしましょうか。

ないしろ、気宇壮大。松井孝典博士は、ビッグバン以来150億年の時間スケール、150億光年の空間スケールで、地球と文明の未来を考える学問の｢アストロバイオロジー｣の提唱者。

ひとたび、宇宙人の視点に立つと、モノの見方が変わってくる。俗にいう天国から、地球をみている感覚に襲われる。いわく、現代とはどのような時代か、地球とはどのような星か、文明とはなにか、我々とはなにか、我々はどこからきたのか、我々は宇宙で孤独な存在か、歴史とはなにか、我々はどこへ行くのか。

この本から、次の引用を、政治家の皆さんに捧げます。20世紀の知の体系(二元論と要素還元主義)は、いま、21世紀へ向けて、崩れています。思考のパラダイムシフトが起きているのに、依然として、旧石器時代的発想で物事を処している皆さまへ。

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近代自然科学の基本的な考え方は、二元論と要素還元主義の二つに基づいています。これらに基づいて我々は、自然を理解してきました。

まず、二元論とは何か。二元論とは、我々と自然が分かれていて、我々は自然という対象を認識する主体であり、自然は認識される客体であるという考え方です。すなわち、人間と自然とをはっきり分けて考えます。

そうしないと、そもそも考えるという行為がスタートしないからです。対象について考えようとしているのに、それを認識しようとしている自分とは何かなどと考えはじめたら、どうどうめぐりになって考えがまとまらないからです。

二元論導入した結果、自然を観測し、その結果をまとめ、因果関係を考えることができるおうになり、その結果として宇宙や地球、生命について、我々は語ることができるのです。

次に、要素還元主義とは何か。要素還元主義とは、観察あるいは考える対象の時空スケールを細かく分けて対象のことを考えようというものです。そして細分化された要素について分析した結果を、すべて足し合わせて全体を理解しようという考え方です。

我々がものごとを考えるときに、その思考の対象の枠組みを余りに大きくとると、考えるべきことが具体的に何なのかつかみにくくあんります。例えば、宇宙とは何かということについて考えようとしても、宇宙というだけでは漠然としすぎて、その何について考えようとしているのか、それを特定しなければ考えようがありません。

対象の枠を細かくとり、その中で考えるべきことをはっきり決めて、その枠の中で問題を明確にしないと、ものごとの議論はできないわけです。

例えば、宇宙という場合、それをもう少し細かくわけて、無数の銀河から成る宇宙を考えるのか、そのなかのひとつである銀河系を考えるのか、太陽系を考えるのかを決めると、具体的に何が問題かそのイメージが沸いていろいろ議論ができるようになります。このように、考えるべき対象の枠を決めて問題を与え、それを考えていこうという考え方が要素還元主義です。
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21世紀、二元論も、要素還元主義も破綻しました。その現実を見よ。

一行コメント：150億年の時空スケールでものを考える